コラム

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この野菜を作った人が目の前にいる

会場で野菜を机の上に広げると、学生がわっと集まってきました。

松下信也さんは大学院を卒業して水処理のエンジニアになります。その後、環境保護につながる仕事をしたいとサンバファームをスタート。年間100種類の有機野菜を作り、個人宅へ定期的に宅配します。

近未来ハイスクールでは、幅広い業種の人に話してもらおうと思い、農家であるサンバファームの松下さんに声をかけました。また、農業のセミナーをすると、ビジネスパーソンに混じって学生が参加することもあったので、ある程度は興味があると確信していました。ただ、常に5-6人が囲んで話を聞いている状況になるのは予想以上でした。

仕事の話をする「職業人」にお願いしたことがあります。
「可能な範囲でよいので、当日に自分の仕事がわかるような物を持ってきてほしい」

イラストレーターであれば作品
編集者であれば関わった本やメディア
農家であればやはり農作物

ということで、松下さんは段ボール一箱の野菜を千葉県山武市から東京都国立市まで遠路はるばる持ってきてくれました。

でも無理を言ってよかったです。
高校の生物室で机の上に野菜が並び、その生産者が目の前にいる。仕事の話も聞ける。という状況は、スーパーで並ぶ野菜に生産者の名前と写真が貼ってある状況と、インパクトが違いました。

学生は「農業は儲かるんですか?」など、実に率直な質問を投げかけていました。

そして、早速農業体験に申し込みをした学生がいたそうです。参加して楽しかった、で終わるのではく「何か行動に移そう」という国立高校の大野智久先生のメッセージもしっかり届いていたようです。

 
opnlab小林

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